ペイフォワードについて
未来へのPAYFORWARD
未来へ繋げるために、いまPAYFORWARDの精神で動きだす
「恩返し」を意味するペイバックに対して、ペイフォワードは受けた恩を当人に返すのではなく、感謝の気持ちや親切をまだ見ぬ誰かへとバトンを渡すように繋いでいき、人の輪を広げる運動のことを言います。
このペイフォワードという社名に北大祐は、これまでへの「感謝」とこれから動きだす未来への「動機」を込めました。
バスをもっと知りたい。
バスフィッシングを究めたい。
2017年まで日本のプロトーナメントに参戦していた北大祐は、JBで輝かしい実績を残しました。
トップカテゴリーであるTOP50で通算4勝を上げ、年間タイトルを2度にわたって獲得。マスターズの年間タイトルを獲り、ジャパンスーパーバスクラシックとELITE5も勝って、JBの主要タイトルを完全制覇。
さらにBasser Allstar Classicでは2016・2017年大会を2連覇して、名実ともに国内の頂点へ登りつめました。
「いい気になっていると誤解されても仕方がない発言だと、自分でも思います」と、北は言います。登りつめた頂上で、彼が見て、感じたのは、眼下に広がる景色や達成感ではなく、「日本にはもう、いまいるところよりも上がない」という事実、そしてトーナメントに出場し続ける動機の消失感。北は2017年をもって国内のプロトーナメントから退く決断をしました。
少年時代にバスフィッシングに魅了された北は、昔も今も「もっと上達したい」という一心でこの釣りと向き合っています。
実は北がトーナメントの道へ進んだ動機も、勝ちたかったから(人と競いたかったから)ではなく、「自分の想像を絶するパターンに負けて、バスとバスフィッシングを学びたかったから」でした。
もちろん、それらの学びを直接アングラーにあたえてくれるのはフィールドとバスですから、北自身も懸命に練習に励みました。
ただし、フィールドをより深く知るための魚探がけも、バスの反応をより強く引き出すためのルアー開発やチューニングも、そしてNBCからJBへ進んでプロになったのも、やがてマスターズからTOP50へ昇格したのも、北にとってはすべてがバスとバスフィッシングを追究するためでした。
「トーナメントに出始めたころは、上位の人がインタビューで言っていることの意味がまったくわかりませんでした(笑)。
けれど、やがて理解できるようになると、実際にそのパターンやルアーで釣ることもできるようになる。
トーナメントに出てよかったです。こういうことか!!なるほど!!っていう体験をどんどん積み重ねて、昨日よりも今日、今日よりも明日の自分のほうが確実に上達している実感がありました。何事もそうだと思いますが、日々成長を感じられたころが一番楽しかったですね」2017年に国内プロトーナメントを卒業した北は、1年の準備期間を経て、2019年にB.A.S.S.で再始動します。
いまは過去形になってしまっている「楽しかった」を、現在進行形の「楽しい!」として取り戻すべく、アメリカの未知のフィールドにバスを追う日々が再び始まります。
楽しさと経験の還元
北大祐が海を渡る目的は、B.A.S.S.への参戦を通じてバスフィッシングを追究することだけではありません。
この釣りとバスの母国であるアメリカで、資源としてのバスの管理方法や文化を学び、それらもいずれ日本に還元する。そんな人生を賭けた目的意識が、現在の北を衝き動かしています。いわば自身を成長させてくれた日本へのペイフォワードです。
そして、このPAYFORWARDでルアーを手掛けることもまた、北にとってはただルアー製造・販売することが目的ではありません。
「もちろん生きていくためでもあります。けれど、JBの引退を考えていたころは、B.A.S.S.参戦のビジョンはまだぼんやりしていましたし、自分がメーカーをやるとは思ってもいませんでした。
琵琶湖や各地でのガイドを通じて、自分の経験やバスフィッシングの楽しみ方を伝えていきたいな、と。それは考えていましたね。
でも、それを言ったら、ある人に強く言われたんです。「無責任だ」と、その「ある人」とは、北が使用するロッド、ワイルドサイドを手掛けるレジットデザインの代表取締役・飯高博文。
北がPAYFORWARDを立ち上げるきっかけとなった人物でもある。
「言われました。自分が日本でバスフィッシングを楽しんで、ここまでキャリアを積んでこられたのは誰のおかげか、考えてみてほしい、と。
この国にバスフィッシングを根付かせてくれた先人たちがいて、先輩たちが頑張ってきたトーナメントがあったからこそ、そこで学ぶことができたんじゃないか。そのJBで一番上まで登りつめた者には、自分の経験や週末が待ち遠しくなるようなバスフィッシングの楽しみ方を、もっともっと広く伝えていく義務がある。かつて自分が誰かにそうしてもらったように、今度は君が誰かに還していく順番が回ってきたんだよ、と。
ずっと自分のためだけにバスフィシングをしてきた僕にとって、グサッと刺さる言葉でした。
この先も『日本で自分のためだけにバスを釣り続ける』ことに限界を感じていたところでしたので……」アメリカにはまだまだ学べることがある。
そこには日本に還元できることもある。これまでの経験と理論をルアーに込めることで、それを礎に誰かがバスフィッシングへの理解をさらに深めるだろう。それは巡り巡って新たな楽しみ方となり、いつか自分のところへ還ってくる日もくるだろう。
PAYFORWARD
バスフィッシングを未来へ繋げるために、人生を賭けた北大祐の挑戦が、いま始まります。